【Vol.53】桐朋との繋がり -45期 高橋 侑子さん 前編-

ゲスト    :桐朋学園初等部 45期 高橋侑子様(以下、高橋さん)
インタビュアー:桐朋初等部同窓会 会長 髙田紀世(以下、髙田)

 

髙田:
東京 パリオリンピック2大会連続出場のトライアスロン選手45期の高橋侑子さんにインタビューをさせていただきたいと思います。改めてオリンピック連続大会出場おめでとうございます。

高橋さん:
ありがとうございます。

髙田:
まず先日の2024年のパリ大会を終えて、感想をお聞かせください。

高橋さん:
そうですね。
もうあっという間だったっていうと簡単なんですけど、東京からパリまでいろんなことがあった中で、また今のコーチとチームメイトとともにたどり着けて、出場できたっていうのは素直に嬉しかったですね。

髙田:
大会自体はどうでしたか。

高橋さん:
朝ちょっと雨が降っていたりとか、川の流れが思ってた以上に早かったりとか、ちょうど私の目の前で選手がバイクで転んでしまって、それが結果を大きく左右したことにはなったんですけど、いろんなことがあった中でも、自分のその日できることは全てやったので、結果としてはもちろん思うようなものではなかったんですけど、やれることをやった結果で、それが今の自分の実力だったのかなとは思います。

髙田:
初めてトライアスロンをT Vで応援をさせていただいて、完走された時は本当にお疲れ様でしたという一言でした。東京大会とパリ大会と両方出場されてみて、その二つの大会での違いを教えてください。

高橋さん:
東京はコロナ禍だったので、無観客っていう形で、観客がいなかったり、制限が多かったり、誰も味わったことのないオリンピックの開催だったと思うんですが、私自身は初めてのオリンピックだったので、どんなものかを知らない中でも、母国でもあったので、すごく身近なものばかりが周りにあって、いろんな意味で不思議な経験ができました。パリに関しては全然コースも東京と比べても違いましたし、今まであれだけの流れのある川でレースをしたことがなかったので、そういうところも違ったのと、でも何よりも観客がすごく多くて、ヨーロッパでは、トライアスロンはすごく盛んですし、今回パリでは、開会式も閉会式も出ることができて、他の競技も、いくつか自分のレースが終わった後に、観戦に行くことができたり、それは東京ではできなこかったことだったので、改めてオリンピックらしいものといいますか、それがパリではできたっていうのがあって、また違ったオリンピックを味わうことができたなと思ってます。

髙田:
たくさんの海外の大会に出場されていますけれども、それらの大会とオリンピックは違いますか?

高橋さん:
やっぱり4年に一度しかないので、それだけ注目度も高いですし、その出場枠の取り方とかっていうのも、普通の世界選手権とは違うので、各国最大でも3枠。取れない国もいますし、その55人っていう枠の中を決める。なるべく多くの国が入るような、そういうシステムといいますか、そういう枠決めっていうのは普通の世界選手権とは違うので、まずそこの選考だったりっていうのは、普通の世界選手権とは違う部分ではあるんですけど、レースとしてはトライアスロンは一緒なので、レースはレース。一つのレースっていう捉え方はしてるんですけど、やっぱりオリンピックに出場するまでのプロセスがあったりっていうのが、普通の世界選手権よりも多くあって、いろんな規定もあったり、ウェアのことだったりとか、あとは他の競技も一緒に開催されるので、周りで普通の世界選手権などトライアスロンしかないんですけど、そういったオリンピックとかメジャーゲームになると、他の競技が周りでやったりとか、そのチームジャパンっていうのをより強く感じられる大会なんじゃないかなと思いますね。

髙田:
オリンピックに出たことで、高橋さん自身、変わったなと思うことはありますか。

高橋さん:
特段何か変わったかっていうと、言葉にするのは難しいかもしれないですけど、でもやっぱりこんな経験はできないので、そういったオリンピックっていう舞台に、日本の代表として出れたっていうことに関しては、すごく自分自身もこうやってきたことが形になってるっていう意味では、すごく誇りにも思いますし、たくさんの方に見ていただけたりとかそういった経験っていうのは、オリンピックっていうものはやっぱり特別なんじゃないかなと思いました。

髙田:
東京大会からパリを目指すと決めたきっかけやそれを決めた時期がありますか。

高橋さん:
東京終わってすぐですね。一応東京からパリまでは3年しかなかったので、あと東京で思うような結果が出せなかったっていうのもありましたし、もうちょっと今のコーチとチームメイトとみんなでもう少し頑張りたいなっていう思いになれたので、東京が終わってすぐあと3年でパリだっていう気持ちにはなりましたけど。

髙田:
その3年間どのように自分のモチベーションを保って行ったのでしょうか。

高橋さん:
もちろんパリに向けて、やっていたっていうのもあるんですけどでも、オリンピックに出場する為にトライアスロンをやってるっていうわけではなくて、やっぱりトライアスロンが好きで、自分がどんな選手になれるか、その自分がやってきたことをどう表現できるかとかっていう、そういうところに着目というか目の前にあることを一つ一つやってた先にパリがあったっていう感じなので、どうしてもパリに向けてとかっていうよりは、その自分の課題だったりとか、そういうことを目の前にあるレースを一つ一つやっていった先にパリがあったので、なのでそのモチベーションがとかっていう気持ちにはなるときはなかったですね。

髙田:
東京オリンピック終わった後に、練習方法など変えたことはありますか。

高橋さん:
大きく変えたことはなくて、その東京からパリの選考が始まったのがもう1年経たない時から、選考のオリンピックの枠取りのシステムがスタートしてしまったので、あんまり変わったチャレンジみたいのはできなかったっていうのはあるんですけど、そこまで何か大きく変えたっていうよりは、今までやってきたことをそのまま積み重ねていった感じでした。

髙田:
普段どんな練習をされるのですか。

高橋さん:
3種目あるので、それぞれですけど、毎日3種目やるわけではなくて、日によってで、1日1種目以上はやるのが一応基本で、週7日間休みなくずっと練習してる感じなので、でもそれも緩急つけながら、あとはコーチと相談しながら、練習組んでいる感じなので。

髙田:
3種目ありますが、好きな種目はありますか。

高橋さん:
好きな種目は、これっていうのは特にないですけど、これっていうのは特にないというか、別に3種目の中でこれが一番とかっていうのはあんまりないんですね。 どれも平等に。

髙田:
一番得意なものとか?

高橋さん:
それもよく聞かれるんですけど、これが得意っていうのがなんかあんまり言えなくて、よく言うとバランスがいいかもしれないんですけど、悪く言ったら武器がないのかなと。

3種目あるので、バランスといいますか、そのタイミングによって今はスイムの調子上がってきたなとか、ちょっとラン走れてきてるなとか、私は結構タイミングによって、変わるといいますか、3種目揃えるのが難しいんですけど、ある程度バランスは整っている方なのかなと思いますね。

次回、高橋侑子さん-後編-は<2025年3月1日>に予定しています。

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