【Vol.14】桐朋との繋がり -滋野 真優先生<後編>-

ゲスト    :滋野 真優先生(以下、滋野先生)
インタビュアー:桐朋学園初等部同窓会 会長 坂口佐代子 (以下、坂口)

 

滋野先生へのインタビューの後編です。

坂口:
そうですよね。子どもたちの笑顔が見えることが先生にとっても嬉しいですよね。
ありがとうございます。それでは次の質問をいたします。
既に社会で活躍していたり、これから活躍される桐朋っ子に向けて一言頂きたいんですが、
先程、お話にありました卒業されて中学生になった子どもたちや滋野先生が桐朋生なので、高校の後輩に向けてメッセージを頂けますか。

また、滋野先生の同級生でトライアスロン競技において世界で活躍されている高橋侑子選手へもお聞かせ頂けたらと思います。よろしくお願いいたします。

滋野先生:
自分は桐朋小学校、桐朋女子中高と通いましたが、自分の周りには自分のやりたいことをやるっていう人がすごく多くって。それはきっと小学校の時に、先生方が大事にしてくださっている子どもたちがやりたいことを自分たちの力で実現していく自治活動とか、そういうところにすごく表れているんだろうなって思います。それはやっぱり自分の好きなことをやりたいことをできる環境があると思うので、それは一生懸命楽しんでやってほしいなってすごく思います。

高橋侑子さんのことですが、すごく嬉しいことですし、活躍をいつも楽しみに拝見しています。小学校3年4年生の時にクラスが一緒で、その時によく一緒に遊んでいました。私の妹も侑子さんの妹も同級生で、しかもそこは部活も一緒だったので、本当に濃い繋がりでご家族の方ともすごい親しくさせていただいてますし、長い付き合いかなと思っています。とにかく活躍が本当に嬉しくってニュースを楽しみにいつも見ています。

坂口:
お話を聞くと小さい頃から一緒で本当に仲良しなんですね。
高橋侑子選手も大変努力されていると思いますが、滋野先生が今一番頑張られていることは何ですか。

滋野先生:
そうですね、クラス替えは2年毎で、1、2年目は同じクラスの持ち上がり、3、4年目も持ち上がりだったんですけど、今年初めて他の先生が1年持ったあとのクラスを担任になることになり、他の先生が1年もった後のクラスということで、子どもたちとの距離を一学期の頃は感じて、私自身も戸惑ってしまいました。今まで自分がやってきたことが今のクラスの子どもたちにとっては初めてのことであったり、学校生活のスタートである1年生を過ごし、やっと慣れてきたところで担任が変わったという、そこの難しさがすごくありました。もちろん、子どもたちにとっても大変さがあったと思います。
そんなこともあって、一学期の時には日々の落ち着かなさがやっぱりありました。なので、子どもたちから私への「この人はどういう人なんだろう?」という視線はすごく感じていました。でも今のクラスは、すごく自由な集団なので面白いし、発想は豊かだし、すごくパワーに満ちているんです。また逆に、低学年らしい自分中心な部分もあり、それが彼らの面白さに繋がっていると思います。しかし、そこで集団としてどうしたらクラスのみんなが気持ちよく生活できるかなとか、みんなの面白い所を活かすにはどうしたらいいかを考えたり、そこのバランスを考えるのがすごく難しくて、日々奮闘しています。

 

坂口:
クラスのまとまりを目指しているんですね。

滋野先生:
まとまるというより、まずは子どもたちが自由に好きなことをすることができて、その中でお互いのいいところを見つけあったりしながら、クラスが全員にとって安心できる居場所にできたら、という思いでいます。今はクラスの事で頭がいっぱいですね。

楽しいこと・笑うことと、怒ることが日々半々くらいですね。
いつまで喋ってるんですか?ってね(笑)静かになるまで待って、待って、で静まったところで、静かなお説教を(笑)

坂口:
ありがとうございます。それでは最後の質問です。
理想とする先生像をお聞かせいただけますか。

滋野先生:
色々な子どもがいるので、一人ひとり色々な行動があるし、色々な言動があるし。一見、えっ?と思うような行動や言動にもなんでかな?って考えるようにしています。こちらからの投げかけに対して「やだ!」とか、否定的な反応をしたり、友だちに対してひどいことを言ってしまったり、そういうことって、よくあることなんです。でも、子どもたちのそういう反応にはきっと、何か理由があって、どういう背景からそういった行動や言動に出てしまうのかを、常に考えられるような大人でありたいと思っています。頭から「そんなこと言ったらだめでしょ。」ではなくて。あとは、子どもの話をしっかり聴ける大人でありたいです。こんなことが嬉しくて、こんなことが悲しかったのね、と。子どもに共感しながら、先にお話したことにもつながりますが、頭から決めつけないで根気強く、子どもたちの話に付き合いたいと思っています。

坂口:
優しい先生ですね。素敵です。
本日はありがとうございました。

滋野先生:
ありがとうございました。

 

次回は卒業生でマリンバ奏者SINSKEさんにインタビューをして、色々なお話をお伺いしたいと思います。
次回の掲載は<2019年1月20日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,094名(2017年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と
母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。

同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。

「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。