【Vol.34】桐朋との繋がり -22期 中山 綾子さん 後編-

ゲスト    :桐朋学園初等部22期卒 中山綾子さん(以下、中山さん)
インタビュアー:桐朋初等部同窓会 会長 髙田紀世(以下、髙田)

 

中山綾子さんとのインタビューの後編です。
前回のインタビュー<前編>はこちら

髙田:
Web関係の仕事で大変だったことをお聞かせいただけますか。

中山さん:
大変だったことはそうですね。
Webの技術はどんどん進化して行くので、その知識を入れていくことはとても大変です。

逆に専門的なアプリ等についてはお客さんの方から教えて頂くことがあったり、偏った視点でいると知らない事もありますし、今はSNSの役割が大きいですが、新しいツールや技術が次々と出て来るので、その辺についても網羅して行くという事が一番大変かもしれませんね。

髙田:
逆に楽しかったことや、この仕事をして良かったなと思うことは何ですか。

中山さん:
いろいろな職業の方たちの日常の一面を垣間見れる所でしょうか?
この仕事する前に、実は舞台俳優を目指していた時期があったんです。

なぜ俳優をやりたかったかというと、目立ちたいというよりは、いろいろな人になってみたかったと言うか。いろんな職業の人だったり、違う性別だったり人種だったり、あるいは何か人間以外のモノにさえなったりもしますよね俳優って。

そういう風にいろんな人の目線になってみたいなっていう気持ちが元々あって、Web制作も私は少しそれに近いかなって思っていて。たとえば、普段は学校の先生がどういうことを考えていらっしゃるかとか、どういう生活を送っていらっしゃるとかあんまり知らないですけれども、研究者なんて何を日々されているのか、もう全然わからないんですけれども。

でも、お話聞いたり取材してるうちに何か少しその人の気持ちになったり目線になれると言うか、自分が知らない世界を堂々と見せて頂けるので、そこが私はすごく楽しいなと思ってます。

髙田:
色々な人々にインタビューをした中で印象に残っている方はいらっしゃいますか

中山さん:
熱帯医学の研究者の方々が、全然私が知らない世界を見せてくださって。本当に虫愛の強い方々で。
研究室にはゴキブリとかを愛しちゃってる人達が普通にいて、蚊をたくさん飼っていて、その中に手を突っ込んだりを、もう自分から喜んでやっているんですね。

世界を飛び回って虫とそれを媒介とした病気の研究をされていて、そのお話しが自分の日常とは一番かけ離れて面白かったですね。本当にその方達は面白くて、毎年自己紹介を更新するんですけど、いかに面白く書くかを競い合ってるみたいな感じで原稿が来ると、本当にお腹抱えて笑っています。

髙田:
Webのデザインもされているということですが、デザインをする際に一番意識することは何ですか。

中山さん:
やはりカッコイイとかオシャレなデザインとか、トレンドを意識するとかももちろん大事ですけれども、いくら見栄えが美しくてもそのお店や学校の雰囲気に合っていないと、それはちょっと意味がないなと思っていて。お客さんを騙すとまでは言わないですけど、すごく美しくサイトでも、実際に訪れてみたら全然違うじゃないみたいな感じになっては失敗だと思っています。
なるべく乖離しないように、素の現状の良さをどうやったら引っ張り出せるかなみたいなことを意識してやっています。

髙田:
中山さんが作るデザインには人間味があるような気がします。

中山さん:
ありがとうございます。そうなればいいなとは思っています。

髙田:
他の方が作ったサイトで一番先に見るところはどこですか。

中山さん:
一番先に見るところは、意外と表面的なデザインではなくて、裏側のコードとかですね
WebサイトはHTML等の言語で指示してあのように表示されるのですけど、表面はすごく綺麗なのに裏のコードがぐちゃぐちゃみたいなサイトがたまにあって、それは表示速度をすごく遅くしたりするんですね。

なので、裏側も美しいものが真に美しいサイトだと思っています。そういうのを目指したいので、美しいサイトはどういう風に書かれいるのかなっていうのを知りたくてコードをまず見ます。

髙田:
私たち一般人のサイトチェックポイントを教えてください。

中山さん:
やはり見やすさとか美しいデザインも大事ですが、ユーザビリティっていうか使いやすさは大切な要素かなと思うんですよね。
どこに何があるか探しに行かないと見れないのではなくて、見たいものがすぐ手の届くところにあるっていうのは大事でしょうか。ただ、あえてそういう風に探させる手法もあるから場合によるかとは思いますが。

やっぱりいろんなデバイスに置き換えてもストレスなく綺麗に見えるというか。
あと意気込みが現れるのが更新頻度ですね。伝えたい事がたくさんあると言う事は当然更新頻度も高くなってくると思います。伝えるという事ではSNSを上手く活用するのも一つの手段ですよね。

制作したWEBサイトのご紹介

髙田:
今後、チャレンジしていきたいことはありますか。

中山さん:
今後はどちらかと言えば、動画とか映像制作に力を入れたいかなと思ってはいます。

髙田:
どんな映像ですか。

中山さん:
何かを紹介するにしても、Web上で観られる簡単なショート動画の制作とか、やはりぱっと見て伝わる方法にもっと力を入れたいですね。動いている方がよりリアルに伝わると思うし情報量も多くなると思いますので。

髙田:
最後にこれからの若い同窓生に向けて何かお言葉をいただきたいと思います。

中山さん:
さっきも話しに出てきた、組んでいるプログラマーは小学校の時から一緒なんです。

小学校の時はクラスがずっと違ったので接点がなくて、でも帰り道が一緒だったからたまに挨拶する程度の関係だったのですが、中高ではクラスも一緒になるうちに仲良くなって、今はずっと一緒に仕事をする良きパートナーです。思えば小学校の時に今に繋がるそういう縁がもう出来ていていたんだなと思います。

今回のこのお話しも6年生の時クラスが一緒だった友人から来たのですが、当時は特別に仲の良いクラスじゃなかったんです。でも大分お大人になってクラス会をやったら凄く盛り上がって、多い時は年4回もクラス会をやっていたくらい。何か困った時とか、相談したい時とか、そういう時にぱっと手を出し会えるみたいな関係を築けていて、不思議だけどこれもやはり縁なんだろうなと感じます。

縁といえば桐朋ではいろいろな先生との出会いがあって、皆さん個性的だから色んな趣味を押しつけられて?例えばすごく畑が好きな先生がいて、しょっちゅう肥やしの匂いが漂う畑に行かされて、泥にまみれて何でこんな思いしないといけないの?と思ったり、マラソンが趣味の先生がいらして、もう毎日毎日走らされて、夏休みのラジオ体操みたいにマラソン選手の写真のスタンプを集めさせられてこれもキツかったな~と思い出されたり。

でも、当時あまり好きでなかったどころかむしろ嫌いだったことが、不思議といつの間にか自分の大好きな事に変わっていて、畑も自分から借りてやっているし、毎年マラソン大会にはエントリーしているし、あの大嫌いだったピアノさえ、なぜか今また習い始めてる。

何が言いたいかというと、すごく無意味に思えたり、なんでこんな目に会うのかなって思う事でも、もしかしたら最終的には意味があったんだなと思える事に変換される可能性があるという事です。今という瞬間をちゃんと意識して丁寧に生きていると、いつか全ての出会いや物事に意味があったと思えるようになるかもしれないと最近思うのです。

皆さんも何か今は意味が見出せなかったり嫌だなと感じる事でも、後で自分にとってプラスな事に変換される可能性もあると思って今を丁寧に経験して行っていただけたらなと思います。

髙田:
桐朋初等部卒業生として共感できるお話がたくさんあり、素晴らしいお話をありがとうございました。

中山さん:
本日はどうもありがとうございました。

次回、卒業生のインタビュー記事は<2023年6月1日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,571名(2021年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。

同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。

「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。