【Vol.60】桐朋との繋がり -28期 窪島剣璽さん 後編-

ゲスト    :桐朋学園初等部 28期 窪島剣璽様(以下、窪島さん)
インタビュアー:桐朋初等部同窓会 会長 髙田紀世(以下、髙田)

 

窪島剣璽さんとのインタビューの後編です。
前回のインタビュー<前編>はこちら

髙田:
窪島さんの経歴を見ていて初めてフレスコボールというスポーツを聞いたのですが、どのようなスポーツでどのような経緯でフレスコボールに出会ったのでしょうか。

窪島さん:
当時2013年、私はチャットアプリLINEで関連会社の社長をやらせていただいたんですけども、たまたま私が海外をやりたいと言ったところ、ブラジルマーケットをやらないかって話を頂きまして、半年間ぐらいブラジルに行かせてもらいました。

その時にフレスコボールと出会って、それが2013年ですかね。 フレスコボールはビーチでやるスポーツなんですけど、2人が協力し合ってラリーを続けるっていう。球技なのに協力するって結構珍しいスポーツなんで、それがすごい日本の文化にも合っているだろうという風になんか直感で思ったので、当時はスーツケースに道具を満タンに入れて帰ってきて、これを日本でもやってみようということで、その後社団法人立ち上げて。

当時まだ2014年のブラジルサッカーワールドカップとリオのオリンピックが控えていたので、そういったブラジルのスポーツは日本でも注目されるのではないかと思いました。

髙田:
ご自身もプレイヤーとしてやられるのですか。

窪島さん:
最初はもちろんスポーツとしても面白くてやっていたんですけど、今は運営側というかプロデュース側にあの完全に回っております。

髙田:
競技人口はどれくらいですか。

窪島さん:
今、日本国内で6000人ぐらいですかね。 協会で公表している数値は。
ラケットを買っていただいた方とかの累計から算出して6000名ぐらいの方ということで協会としてお話しさせてもらってます。

髙田:
どこに行けばフレスコボールができるのでしょうか。

窪島さん:
基本はピーチでできるんですけど、協力してやるスポーツなので地域にコミュニティーができているんですよね。その地域のコミュニティーの活動支援みたいなことは協会としてもやってまして、例えば逗子ですとか、鎌倉といったところにフレスコボールのクラブがあって、親子で参加する方もいますし、地域住民が中心となって、そういったスポーツコミュニティーを形成していく。

それが、今全国で26ぐらいの団体があるんですけども、大学ですと慶応大学とか立教大学にもあります。南は沖縄にもありますし、北は岩手の陸前高田にクラブチームがあったりするんですけど、そうした地域を年間での公式大会としてぐるぐる回るんです。皆さん旅行しながら、相手のペアとスポーツを楽しんで、自分のライフスタイルを豊かにしていくっていう、そういう目的で皆さんやられていますね。

髙田:
ハードスポーツななんですか?

窪島さん:
ビーチなんで怪我しづらいんですけど、結構年配の方でも80歳超えた方が大会に出られたりもしてますし、本場ブラジルでは年配の方でも結構楽しまれてるんで、わりと生涯スポーツだと思います。コミュニティーが結構大事なんで、ハードにスポーツをやる人もいますし、もうたまにやる程度の方も、もちろんいらっしゃいますし、人それぞれの距離感で、フレスコボール、そして地域コミュニティを楽しんでいます。相手を打ち負かして勝者を決めるスポーツじゃないんで、そのプロセスが大事というか。

髙田:
ラリーを続けられる方がいいということですね。

窪島さん:
そうです。5分間でどれだけラリーを続けられるか、ボールをいかに落とさないかで、いろんな技術点があるんですけど、それを審判が採点するという競技なんで、大会は競い合うというよりは発表会のような場になります。皆さん、お互いに応援し合ってやるんで、やっぱり非常に温かい雰囲気で行われますし、で、さっき棒倒しと騎馬戦が無くなったっていうお話がありましたけど、すごい協力型ので優しいというか、現代に合ってる考え方のスポーツじゃないかなと思いますね。

髙田:
お話聞くと対戦相手も含め人と人との繋がりが大事なスポーツのようですね。これから人口や若い人が少なくなって、繋がりが無くなってくる世の中に、このようにスポーツでも繋がっていくということはとても大事だなと思います

窪島さん:
すごい単純な動きなんですけど、ボールをラケットで打ち合うとか、これがなかなかできないんですよね。

人のコミュニケーションが必要で、ここが僕は打ちやすいよ。とか、会話ができないと、やっぱり成り立たないんですよね。すごく単純な運動なんですけど、コミュニケーションがないと成り立たないというか。例えばですけど、夫婦でも友人関係でも、こうコミュニケーションが必要と思っていて、ありがとう。とかごめんね。とか、自分よがりだと2人のラリーって続かないわけですよね。それって意外といろんな生活でも、会社でも、学校でもそうだと思いますし、なんか求められるすごい大事な要素だと思うんですけど、そういったのも、この年になっても改めて勉強させてもらえるスポーツですね。

髙田:
初心者でもできるスポーツですか。

窪島さん:
今、個の時代じゃないですか。家でパソコンに向かっていれば、人と話さなくても仕事が成り立つ方って、結構いっぱいいると思うんですけど、やっぱりなにかコミュニティーに入りたいと思いますよね。

フレスコボールの地域コミュニティは、上下関係もあまりないんで、職業も年齢も性別も関係ない。ただ一緒にスポーツを楽しむ、ラリーを続けるっていう、単純化されている目的があるので、よい関係値のコミュニティが出来るんだと思います。
そういう意味では初心者の方でも、もちろん皆さん歓迎していただけると思います。居心地が良くてこのスポーツを続けている方、本当にたくさんいると思います。 会社でもどこでも、何でも数値化されて、比較されやすい世の中になっちゃってますけど、そういうのが本当にないんで。お金もそんなにかからないスポーツですし、スポーツを楽しむというコミュニティーとその人間関係を楽しむスポーツって感じです。

髙田:
たくさんの人に広まってくれるといいなと思いました。
本業のITのお仕事に就くきっかけを教えてください

窪島さん:
そうですね。社会人新卒でIT系の商社に入社したんですけど、当時は直感的にITが非常にこう拡がっていくタイミングだったんで、 すごく計算高くやったというよりは、本当に直感的に、新しいものや世の中が変わっていくものに、チャレンジしてみようというきっかけだったと思います。

髙田:
学生の時からIT系に勤めようと思ったわけではないのですね。

窪島さん:
そういうわけではないですね。
ちょうど僕らの年代、なんとなく身近にあったので、細かい話でいうとWindowsとかが出てきて、なんか繰り返しですけど、これはなんか世の中が大きく変わっていくものじゃないかなというところで始めたのがきっかけですね。

髙田:
今までの人生やお仕事をする中で桐朋の時に習ったこととか、やってきたこと、学んできたことってが活かされていると思うことはありますか?

窪島さん:
一番はやっぱり人間関係ですかね。
人間関係で、人と人とのコミュニケーションもそうですし、それを通じて出会った友人たちが、今でも僕を助けてくれる仲間も、桐朋の仲間も多いですし、逆に僕が助けられることがあったら、助けたいと思うのと同じように、そういう仲間を得られたってことが、本当に僕の人生にとって、桐朋からいただいた宝物じゃないかなと思いますね。

髙田:
小学校時代から繋がっている仲間もいらっしゃるんですか。

窪島さん:
今でも本当に仲が良いですね。昨日一昨日ぐらいも一緒にご飯を食べてましたし、特に今1周回って、また仲良くなっていて、お子さんも大きくなってきて、少し夜自由に食事行ったりする時間ができるようになりました。
仕事もね、だいたい皆さん、がむしゃらに働く時期が終わって、余裕を持たれている人とかいて、ちょうどそういう時期なんですかね、会う機会が増えて楽しいですよね。
今日、校庭とか写真を撮って、みんなに送ったら喜ぶだろうなと思っています。

髙田:
そうですね。インタビューなどで小学校にいらっしゃると皆さん懐かしいと言ってくださるし、想い出がフラッシュバックするとおっしゃいます。
今年は11月16日に同窓会創立40周年記念大会もありますので、ぜひ皆さんお誘い合わせの上でいらしていただけると嬉しいです。

窪島さん:
それは何ですか?

髙田:
桐朋小学校が70周年なんですけど、同窓会も40周年でして、11月16日にやります。

窪島さん:
ありがとうございます。行きたいと思います。

髙田:
来ていただけると嬉しいです。いろんな懐かしい企画を準備しています。
時代を超えた同窓生がいらっしゃいますし、自分が覚えてない思い出の引き出しが開いてくると思います。それこそ最初にお話した肥後ナイフ体験会にあるので是非。

窪島さん:
ありがとうございます。友達と見て回った方が楽しいですよね。
今日、学校にきてあいつがここで怪我してたなあとか、骨折してたなあとか、なんか思いながら、いろんなやつの顔が頭に浮かびました。

髙田:
最後に今の同窓生たちに向けて何かお言葉いただけますか?

窪島さん:
僕よりまだ若い世代の優秀な同窓生の皆さんは、言われなくてもやっていると思いますが、桐朋で築いた友人関係を大切にして、皆さん人生の糧に出来るといいかなと思います。活躍している人がいっぱいいますからね。皆さんの活躍を見るのを楽しみにしています。

髙田:
今日はお忙しい中ありがとうございました。

窪島さん:
ありがとうございました。

今回のインタビューでご紹介した”<一般社団法人日本フレスコボール協会>”と”美容モール<THE SALONS>”は下記よりご覧ください。

▼一般社団法人日本フレスコボール協会:https://www.frescoball.org/

▼美容モール<THE SALONS>:https://www.thesalons.co/

次回、卒業生のインタビュー記事は<2025年11月1日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,784名(2023年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。

同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。

「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。