【Vol.6】桐朋との繋がり -千葉 裕子先生<後編>-
インタビュアー:桐朋学園初等部同窓会 会長 坂口佐代子 (以下、坂口)
千葉先生へのインタビューの後編です。
千葉先生:
そういう小さいことでも、まわりが認めてくれたり、自分もそうだと感じられることが色々な場面であったことを記憶しています。この子は怪獣の絵を描かせたら右に出る人はいないとか、文章を書かせたらこの子だとか、調べ物はこの子が凄いとか、そういうことを知る機会が小学校でたくさんあって、お互いに「こういうことが凄かったよね」ということが未だに思い出されます。一言では言い切れませんが、自分の良さもそうですし、結局、人の良いところを見る、という目に繋がっているのではないかと感じています。
自分の良さを認めてもらうことが、お友達の良さも見つけて認めることになります。年齢を重ねることにつれて、小学校の仲間の繋がりや良さを実感しています。その証拠に、最近では東組と西組の合同で、ほぼ毎年同期会が開かれますね。小学校を卒業して50年にもなるのに、繋がっていてさらに同期会が盛り上がるって、素晴らしい学校だと思います。お互いを認めてつながっているというそれが桐朋小学校の良いところだし、私にとっても、自分の生き方、というと大げさですけれど、人に対する見方に繋がっていると思います。
坂口:
基礎の基礎ということですね。
先生が内気でいらしたということには驚きました。
千葉先生:
3年の一時的にでしたね、内気だったのは。外に出て遊ぶ時は全然違うのですけれど。
男の子の中に混じって、女の子私一人だけで、ずっと外で遊んでいましたね。キックベースボールをよくやりました。動くことが本当に好きでしたね。
坂口:
まさに桐朋っ子ですね。
千葉先生:
小学校でのエピソードを語ったら、色々あり過ぎて、ホームページには収まらないと思いますが(笑)
坂口:
また第2弾でお願いいたします (笑)
坂口:
それでは、千葉先生、最後の質問になります。既に社会で活躍されていたり、これから活躍される”桐朋っ子”に向けて一言について頂けますか。
千葉先生:
桐朋学園は、幼稚園、小学校(桐朋小、学園小)、中高は男子校と女子校があって、そして短大。音楽大学。学園と言うと、一人ひとりが自分の良さだったり、自分がやりたいことだったり、そのようなことを見つけられる道筋を作ってくれていると感じています。学園としてそれを意識してるのでしょう。
個性の尊重を、というのはもう当たり前なのですけれど、それが独りよがりではなくて、学園の繋がりとして活かされているというか、個性をさらにこういう方向で活かしたらどうかとか、あの人のこういう生き方や、やってることにすごく刺激を受けて、さらに個性を磨いていくという、その素を作ってくれている学園が桐朋だと思います。
これからどんな世の中になるか非常に不安定で、不明瞭なところもあると思います。不安もあると思いますが、そのような変化の多い世の中、社会で、先ずは「人の良いところを見ながらつながり、自分との共通点を見つけて、それを自分がやりたいことにどう活かせるかという視点をもっていて欲しいです。素晴らしい桐朋で育った卒業生は、そのような視点があるはずです。その視点を持って、人との繋がりを大事にしていけば、それは結局自分も大事にすることになるし、平和な世の中、平和な地球が目指せると思います。桐朋生のように生きていけば、きっとそんな世の中を創れると思います。
坂口:
先生、本日はありがとうございました。
とても素敵なお話をお聞かせ頂き、桐朋生であることを誇りに思います。
本日はありがとうございました。
次回は武藤先生にインタビューをして、色々なお話をお伺いしたいと思います。
次回の掲載は<5月20日>に予定しています。
こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,094名(2017年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と
母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。
同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。
「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。