【Vol.66】桐朋との繋がり -56期 豊田 兼さん 後編-

ゲスト    :桐朋学園初等部 56期 豊田 兼様(以下、豊田さん)
インタビュアー:桐朋初等部同窓会 会長 髙田紀世(以下、髙田)

 

豊田 兼さんとのインタビューの後編です。
前回のインタビュー<前編>はこちら

髙田:
オリンピックを目指しだして、ご自身の競技に対する意識や練習方法などで変わったことってありますか?

豊田さん:
やっぱり高校までは部活っていう範囲内でやってた部分もあって、もちろん学校の勉強とかもおろそかにはできないし、その中で自分の時間を割いて、練習してるっていう意識はあったんですけど、大学になると結構時間も自由によりになってきて、入学して4年後にオリンピックが控えてるっていうの分かってたので、よりコーチとかと話し合って、その4年計画でコツコツ陸上を中心で生活を回していくっていうようなスタイルにやっぱり変わってたかなと思います。

髙田:
競技と学業の両立という点で、中学・高校の桐朋男子校も大変だったと思いますけど、どういうような工夫してたんですか?

豊田さん:
中高時代は陸上部の方針も当時あったんですけど、やっぱり短い練習時間で質を高くっていうのを常に顧問の先生もおっしゃってたので、本当に日曜とか練習はしないですし、学校がある日に放課後の限られた時間でやれる練習を集中してやるっていうようなスタイルでやってたので、そういう意味では練習以外の時間に勉強して、勉強ちゃんとできてたかって怪しいですけど。。はい、時間をうまく移動時間とかを見つけてやっていました。

髙田:
競技を本格的にやりながら立派に慶應大学にお入りになられたので素晴らしいですよね。大学に入ってからまた生活や学業での変化があったと思いますがどのように向き合っていましたか?

豊田さん:
学部が結構フレキシブルに授業を取れるような学部だったので、基本的に練習のスケジュールに合わせて授業を取るようには意識はしていて、一方で、本当に何でも学べるような学部だったので、すごく面白い授業とかもたくさんあって、本当に自分が入学した時はどうなるか分かってなかったので、そういうのも考えて、いろんな授業を取って、そっちもやっぱり勉強とか研究みたいなのも疎かにせず、大学は過ごせていたかなというように思います。

髙田:
大学入った時点でも将来陸上をやっていこうっていうのはまだ考えていなかったんですか。

豊田さん:
それはまた先の話かなと思っていたので、大学3、4年とかになって考えることかなと思ったので、やっぱりその入学して直後1、2年とかは中高時代のスタイルでずっとやってたかなと思います。

髙田:
しかし2024年のパリオリンピック出場を果たしました。実際はちょっと故障もあったから、なかなか思うような成績出せなかったのかもしれないんですけど、オリンピックに出て感じたことはありますか?

豊田さん:
やっぱり自分の競技に対する目線みたいのは絶対的に変わった部分はあって、今までは国内でまずは日本一になりたいっていう気持ちがありましたし、パリオリンピックに出たいっていう、やっぱり知らなかった世界なので、思いが先行してた部分もあって。

どんな形であれ、あの舞台に立てたことで、なんか今競技を続けている身として、なんだろう、オリンピックへの目指す気持ちみたいなのにすごく大きな変化はあって、やっぱり出場するだけじゃ満足全くできなかったし、その舞台でしっかりメダルを目指して全力で自分の思うような走りをしたいっていうような気持ちに変わったので、そういう意味ですごく見える世界景色が変わったかなと思ってます。

髙田:
やっぱり陸上だけの大会、世界選手権も含めてもオリンピックは全然違うものですか?

豊田さん:
やっぱり世界選手権だと陸上競技の選手しか集いませんし、選手村みたいなのもあまりなかったんですよね。
そういう意味では、オリンピックは全部の競技の人が一斉に同じ場所に集って、国際交流みたいないろんな国の選手の人たちと同じ空間で競技ができるっていうのがすごく刺激的で、過去にないものだったので、自分の競技としては怪我もあったので苦しかったんですけど、新しい環境をすごい見れたことにはすごくワクワク楽しかった記憶はあります。

髙田:
他の競技も見に行ったりされたんですか?

豊田さん:
自分は怪我もあって本当に動けなかったので、見に行きたかったんですけど、行けてはなくて。
ただ、その選手村でいろんな競技の方がこれから試合に行く時に、送り出す応援みたいなのをしたりとか、本当に交流はすごい多かったかなと思ってます。

髙田:
またこの舞台に立ちたいという思いはありますよね。

豊田さん:
そうですね。自分の結果が2024年の結果を踏まえて、2028年にリベンジしたいっていう気持ちもありますし、本当純粋に楽しかったっていう記憶もあるので、そこの経験をもう一度、4年に1回しかないので、そこを目指してやりたいなっていう気持ちは強くなりました。

髙田:
そして今トヨタに就職されたっていう形ですか。

豊田さん:
大学卒業して競技継続するってなった時に、支援していただけるような会社さんにありがたく出会えて、こうして所属して、今オリンピックを目指しているっていう状況です。

髙田:
また大学時代とは変わったスタイルですか。

豊田さん:
大学時代は本当に自分中心で過ごせた部分はあるんですけど、自分の取りたい授業を取ったりとか、自分の練習スケジュールに合わせて時間を作ったりとか。
一方で会社に入ると、やっぱり会社の業務もありますし、社員アスリートとしての存在なので、会社の人に応援されるような存在っていうのも、もちろん意識しないといけませんし、というので、大学時代とは少し競技への向き合い方が変わった部分はあるかなと思います。

髙田:
400mハードルは、トラック競技の中で一番きつい競技と聞きましたけれども、きついと思うこと、また楽しいと思うことを教えてください。

豊田さん:
ハードルやっていてきついことは本当にたくさんあって。
もちろん1周走る競技なので、自分のエネルギーを最大限使い切る。その後はもう30分くらいは動けないみたいなくらいきつい競技ですし、ハードルも足が合わない、去年の世界選手権とかも自分届かなくなってしまったんですけど、足が合わなくなったりしたら、そこで一気に減速をして、でもエネルギーが枯渇してるから、それ以上前には進めないというような、そのほんと苦しい競技ではありつつも、一方で走りながらずっと頭を動かさないと、考えないと走りきれないっていうのは、そういう意味ではすごくエキサイティングな競技かなと思っていて。他の走る競技に比べるとやることも多いし、全ての応用が組み合わさらないと、やっぱ自分の思うような形でゴールまで走りきれない競技なのかなっていうのはすごく楽しい部分ですね。

髙田:
そこが400mハードルの魅力ですか。

豊田さん:
はい。

髙田:
今のご自身の中で桐朋小学校の教育がいきているなと思うことはありますか?

豊田さん:
ハードルへの直接的に役立ったなって言えるようなことはパッと思いつかないんですけど。
ただ、その外面的にというか、小学校の時はなんかいろいろ好きなことを遊びの一環で試してやらせてもらえた記憶があって、それが自分の陸上生活の中でもスタイルとして混成をやったりとか、いろんな競技を体験したりとか、練習とかでもいろんな練習法を取り入れたり、いろんな人に話を聞いたりとか、そういう柔軟に自分の好きなように、いろいろ自分の目標に向かって進む時に必要なものを取捨選択できる能力みたいなのは、やっぱり小学校の時から、自分が面白いな、好きだな、やりたいなって思えるようなことを背中を押してやらせてもらえていたからなのかなっていうのは少し思う部分はあります。

髙田:
改めて今後の目標をお聞きしてもいいですか。

豊田さん:
はい。 今は2028年のロサンゼルスオリンピックに向けて全力で向かっているっていう部分で、そこの舞台でメダル獲得というのを目標にしています。また、短期的にいうと、今年アジア大会っていうのが名古屋で行われて、来年は世界陸上がまた北京で行われるので、そこでまずは決勝に進出して、オリンピックに晴れて迎えられるように着実にステップアップしていきたいなと思っています。

髙田:
最後に卒業生、同窓生に向けて何かお言葉いただいてもいいですか。

豊田さん:
同窓生と小学校の卒業生の皆さん。卒業生としては若い方かと思うので、どういう立場で言えばいいか難しいですね。
やはりこの小学校の6年間っていうのがすごく僕を形成してくれたと思ってますし、この桐朋小学校にすごく感謝している部分も大きいので、これからも自分は陸上のアスリートとして歩みますが、何か力になれる部分とかあれば、同窓会にもまたいろいろ関わりたいなと思ってますし、 これからも自分の競技は精一杯頑張るので、ぜひ応援していただけると嬉しいです!

髙田:
本日はお忙しいところありがとうございました。今後の益々のご活躍を楽しみにしております。そして同窓会をあげて応援させていただきます。

豊田さん:
ありがとうございました。

 

次回、卒業生のインタビュー記事は<2026年7月1日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
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