【Vol.16】桐朋との繋がり -マリンバ奏者 SINSKEさん<後編>-

ゲスト    :マリンバ奏者 SINSKEさん(以下、SINSKEさん)
インタビュアー:桐朋学園初等部同窓会 会長 坂口佐代子 (以下、坂口)

 

SINSKEさんへのインタビューの後編です。

坂口:
ありがとうございます。最後の質問になります。
既に社会で活躍されていたり、これから活躍される”桐朋っ子”に向けて一言について頂けますか。

SINSKEさん:
桐朋で育ってきて、この学校というのは何か子ども達がやろうと思った時に、それをやった方がいいよ。って、背中を押してくれる学校だと思うんですよね。

それこそスティーブ・ジョブズさんが、「本当にいい仕事がしたければ好きなことやるべきだ」って、まさにその通りだと思うんですけども、僕もマイナーなマリンバっていう楽器をやってますけれども、やっぱりそういう姿勢自体、仕事になるか、よく分からない木琴みたいな楽器ですけど、でもやっぱり桐朋に居たからこそ、自分は「好きだからやってみよう」って思えたし、その音楽を始めたきっかけも、割と後ろから金属バットで殴られたような自分の予期していない目の前に見えてるものではなくて、後ろから飛び込んできたものに対して、でも無理じゃないかな。ではなくて、まずはやってみようと思えること。それは音大に勧誘された時も、せっかくだからやってみないかい。と言われたことに対して、そう仰ってるなら一年やってみようと思って、ダメだったら辞めようと思ったんですけども、一年死に物狂いでやったら偶然受かりまして。

実はマリンバを始めたのはその四年後なんですよね。大学三年の秋ぐらいにマリンバのコンサートを偶然聴きに行って、それまではオーケストラをずっとやっていたんですけど、将来の仕事をオーケストラでやっていくっていうのは僕に向いてないんじゃないかなって、ちょうど思っている時に、マリンバのコンサートを聴きに行き「音」と楽器の「存在感」、そして僕の将来師匠になる方の音楽表現を聴いて、雷を受けたような。

そういう時に飛び込める勇気っていうのがあると思うんですけど、例えば小学校で、それは駄目だ。絶対ダメ。って言われて押し付けられてたら、きっとそこで飛び込んで行く勇気がなかったと思うんですよね。
そういう意味では、さっきのキン肉マンの話ではないですけれども、何でもとりあえず行ってみる。挑戦をしてみれば、きっと何かが生まれるかもしれないって、そういう姿勢自体は本当に桐朋の姿勢として、自分の中に根付いていると思いますし、だからこそ皆さんも、こんなこと仕事にならないよな。とか、こんなことって無駄だなと思うことがあったりしても、やりたいと思ったらとにかくその疑いを持たずに、そこに進んでいってもらえたら、それこそが桐朋らしいのかなって思いますよね。

でも、失敗しても責任は取りませんよ(笑)
失敗したってことは向いてなかったことですから、そこは失敗したことがとても素晴らしいことだと思いますから。失敗する桐朋っ子でありたいな。と。それでも前に進んでいくことが大事ですし。
僕も何度も、色々と失敗してますから、音楽を辞めようと思ったことがいっぱいありましたし、その中でも、やっぱり自分が信じた道だからっていうところで、まだ前に進んでいる部分があり、それこそ桐朋っ子には、その精神でいて欲しいなと思います。

坂口:
桐朋に対する素敵な想いをありがとうございます。
本日はお忙しい中、お時間を頂きましてありがとうございました。

SINSKEさん:
こちらこそ、ありがとうございました。

<編集部よりマリンバ奏者SINSKEさんのリリース情報>
CDデビュー15周年を迎えられて、これまでの活動の集大成となられる『Prays Ave Maria』を2018年12月5日にリリースされました。
同窓生のみなさま、在校生のみなさま、是非お手に取ってお聴きください!最高のアルバムです!!<メディア出演やコンサートなどの詳細情報はオフィシャルサイトへ>

次回は校医 五島幸生先生にインタビューをして、色々なお話をお伺いしたいと思います。
次回の掲載は<2019年4月20日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,094名(2017年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と
母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。

同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。

「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。