【Vol.21】桐朋との繋がり -47期 椎名慧都(けいと)さん 中編-

ゲスト    :47期 椎名慧都(けいと)さん(以下、椎名さん)
インタビュアー:桐朋学園初等部同窓会 会長 坂口佐代子 (以下、坂口)

 

椎名慧都さんインタビュー中編です。
前回のインタビュー<前編>はこちら

坂口:
椎名さんにとって、桐朋への想いをお聞かせいただけますでしょうか。

椎名さん:
今、私が演劇をやっているのは桐朋での経験がとても大きく影響しています。それは先生方だったり周りの仲間が、私のやりたいと思ったことを否定せずに受け入れてくれたことです。小学校4年生から団活動というクラブ活動の様なものがあるんですが、その当時、演劇団は無かったんですよね。演劇がその頃から好きだった私はどうしても演劇団をやりたくて、先生に相談したら、5人メンバーを集めたらいいよって言ってくれたんです。それから友達に呼びかけたら5人以上集まってくれて、それで先生は演劇団を作 ってくれたんですね。私は卒業までずっとそこに居ました。小学生の頃に私の「やりたい」という想い を一切否定せずに、自分を受け入れてもらえたという経験が今でもすごく自信に繋がっているんだと思 います。

それとその時、集まってくれた仲間もそうですし、桐朋で出会った友人たちが卒業してからもずっと演劇をやっている私を応援してくれたり、あとは私の母も桐朋の卒業生なんですが、その母の友人たちもとても支えてくださっていて、今私が演劇を続けていられるのは、桐朋のお陰だととても強く感じています。

坂口:
ひとつお伺いしたいのですが、当時集まった5人で作った演劇部で一番最初の演目って覚えていますか?

椎名さん:
私はすっかり忘れていて覚えていなかったんですよ!それが20歳の小学校の同窓会で「慧都、お医者さんの役で舞台をやっていたよね」って覚えててくれた友達がいて、それで「あ!そういえばやった!」って、その時に思い出したんですよ(笑)ちょっと題名は忘れてしまったんですが(笑)

坂口:
オリジナルの演目だったんですか?

椎名さん:
いや、図書館にあるような小学生がやる演劇が纏められている本の中のひとつだった思います。

 

坂口:
そうなんですね、慧都さんの舞台デビューは女医さんの役だったんですね(笑)お友達が覚えててくれて、ありがたいですね。

椎名さん:
私その時、男役だったんですよ。

坂口:
お友達の方が覚えててくれたってことは、すごく印象深かった演劇だったんですね。

椎名さん:
そんなに濃い内容があるような舞台では無かったと思うんですけど…。あ!思い出した、題名は「やぶ医者は名医」という演劇でした(笑)

坂口:
降りてきましたね(笑)

椎名さん:
降りてきました(笑)「やぶ医者は名医」です!
桐朋は演劇科の短大が同じ校舎にある事も影響があったと思います。短大生が外でよく演劇の稽古をしているので、私は登下校の時に見に行っていましたね(笑)

坂口:
そうなんですね(笑)常に演劇の世界が日常にあったということなんですね。
それでは、次の質問になります。既に社会で活躍されていたり、これから活躍される”桐朋っ子”に向けて一言頂けますか。

椎名さん:
先ほどもお話させて頂いたんですけれども、桐朋の繋がりだったり、桐朋生のパワーっていうのが、今の私にとってすごくエネルギーになっています。今後活躍される桐朋っ子達には、周りに居てくれて、助けてくれる仲間を信じて、自分の行きたい道に進んで欲しいなと思います。私もまだまだこれからなんですけれど、やっぱり仲間が応援して支えてくれるから、私はこうして演劇を続けていられてます。

坂口:
慧都さんにとって、仲間ってどういう存在なんですか?

椎名さん:
桐朋生って、会っていなくても桐朋生っていうだけで繋がっている部分というのがすごく強いなって感じますね。同級生もなかなか会えない友達が多いんですけれども、今はSNSで近況がわかったり、人づてに何かやっていることを聞いたりして、それぞれが頑張っているっていうことが「私も頑張ろう」というエネルギーになっています。あとは外で「桐朋生なんだよ」って聞いただけで、なんか安心できて信頼し合えちゃうっていうか、嬉しいですよね。そういうの。なんていうのか、桐朋のDNAみたいな感じですね。

これから活躍される”桐朋っ子”に向けてですが、まずは自分の「いいかも」「好きだな」って想うことを大切にして、そしてそれを信じて、その道に進んで欲しいなと思います。私は演劇がただただ好きで、この想いを信じて続けています。壁にぶつかることもあるかと思いますが、好きという思いをもってそれを乗り越えていく勇気が大切なんじゃないかなと思います。

坂口:
その壁を越えていこうとする勇気だったり、信じることってエネルギーが必要だと思うのですが、そのエネルギーの源って何ですか。

椎名さん:
難しい質問なんですが・・・例えば、私は中学校・高校でも演劇部だったんです。「演劇部だった」という話を今すると、すごく意外がられることが多くて、それは世間での演劇部のイメージって暗いイメージがあったり、少し変っているイメージがあるようで、だから実際、今の私を知っている人は「演劇部だったの?運動部じゃなかったの?」とか言われる事が多いんですね。

変ってるとは今でも言われますが(笑)でも普通とか変ってる、明るい、暗いとかっていう事は誰が決めたものでもなくて、それぞれがもったイメージなんですよね。きっと、それって小さい頃から知らず知らずに張り付いてしまっていることだと思うんですけど、そういうつくりあげられた世間のイメージに縛られずに、自分が好きなことは好きだ、と正直に思えることが自分自身のエネルギーの源になっているのかなと思います。

なんか上手く纏められていなくてすいません(笑) 自分が「好きなことは好きだ」っていうことは恥ずかしいことでもなんでもないですよね、実は。 それを受け入れてくれる周りの仲間は必ずいて、桐朋では先生も友人も個として私を受け入れてくれました。そういう環境だったからこそ自分の好きという気持ちに正直でいられたんだと思います。

【椎名慧都 最新公演情報】
PRAY▶公演 『グリークス -第1部「戦争」-』
翻訳・演出:桂 佑輔●日程:2019年11月6日(水)~11日(月)
6日(水)13:00/18:00
7日(木)13:00/18:00
8日(金)18:00
9日(土)13:00/18:00
10日(日)13:00/18:00
11日(月)11:30/16:00
受付開始は開演の40分前、開場は30分前

●会場:浅草九劇 〒111-0032 東京都台東区浅草2-16-2

●チケット:
・4,500円(税込・全席自由)
・正面確約プレミアムシート
舞台に向かって正面の座席に+500円でご案内いたします。
「プレミアムシート」をご選択ください。
※1列目はクラウドファンディングに提供しておりますので、2列目以降のご案内となります。

ご予約フォーム (椎名慧都扱い)
https://www.quartet-online.net/ticket/pray1?m=0baagje

詳しくは公式サイトをご覧ください。
http://www.pray-theatre.com


 

椎名慧都 最新情報はこちらから

次回、椎名慧都さん-後編-は<2019年11月20日>に予定しています。

こちらのページでは、先生や卒業生の近況、また桐朋生にとって懐かしい方々を紹介いたします。
桐朋学園初等部同窓会は6,094名(2017年度3月時点)の会員から構成され、卒業生間の親睦と母校への貢献を目的に活発な活動をおこなっています。
卒業後も桐朋の教えをもつ仲間として、深い繋がりをもっていることが桐朋学園初等部同窓会の特徴です。

同期生同士の横の繋がりだけでなく、クラブ活動や課外活動等によって形成された先輩・後輩の縦の繋がりは、社会人になってからも大きな心の支えとなり、様々な場面で活かされ、その関係は一生のものとなっています。

「桐朋との繋がり」をきっかけに、更なる同窓生の交流が深まるよう、これから繋がりの深い方々を紹介していきます。